コンテナ輸送の仕組み

コンテナについて

現在げんざい、荷物の輸送にはコンテナという箱が使われています。

サメ博士

コンテナは20世紀最大の発明と言われているよ!
それは、コンテナの大きさ(規格きかく)を世界共通にしたからなんだ!

チェックポイント

なぜコンテナは同じ大きさにするといいの?

コンテナの大きさ(規格)は世界共通

コンテナを使った荷物の輸送は1956(昭和31)年にアメリカで始まりました。
世界共通の大きさ(規格)のコンテナを使うようになったことで、
次のような変化が起こり、荷物の輸送が大きく進化しました。

サメ博士

コンテナを同じ大きさにして
便利になったこと

荷物の積みおろしが楽にできるようになった

いろいろな形、大きさ、性質せいしつ液体えきたい冷蔵れいぞう冷凍れいとう食品など)の荷物を
同じ方法で世界中に運べるようになった

船から鉄道やトラック(トレーラー)にコンテナのままで積みえて運べるようになった

コンテナの大きさは大きく分けて2つある

コンテナの大きさは世界共通で、
20フィート(約6m)と40フィート(約12m)が標準的ひょうじゅんてきに使われています。

サメ博士

コンテナを数えるときはTEU(ティーイーユー)という単位を使い、20フィートコンテナを「1TEU」、40フィートコンテナを「2TEU」と数えるよ!

(TEU:Twenty-foot Equivalent Unit)

コンテナ船-コンテナを専用せんように運ぶ船

コンテナ船には、コンテナを安全にまっすぐ積むためのレール(セルガイド)がついていて、
大量のコンテナを積むことができます。
大きなコンテナ船がだんだんえていて、長さが約400メートルもあり、
20フィートコンテナを2万以上積めるような船も登場しています。

コンテナ船

チェックポイント

コンテナではどんな荷物が運べるの?

いろいろなコンテナ

コンテナにはいろいろな種類があり、中に入れるものによって特徴とくちょうのあるコンテナが使われます。

ドライコンテナ

最も多く使われているコンテナです。鋼鉄こうてつ頑丈がんじょうにつくられた単純たんじゅん構造こうぞうで、身近な生活物資ぶっしや工業製品せいひんなどの輸送に幅広く使われます。

ドライコンテナ

タンクコンテナ

水、ジュース、お酒、化学薬品などの液体やガス類を運ぶときに使われます。

タンクコンテナ

リーファーコンテナ

電気で中の温度を下げることができます。食べ物などを運ぶときに使われます。

リーファーコンテナ

フラットラックコンテナ

天井てんじょうかべがないコンテナです。通常つうじょうの大きさのドライコンテナに入らない大きな荷物を運ぶときに使われます。

フラットラックコンテナ

コンテナターミナルの役割やくわり

コンテナ船は港でどのようにコンテナをおろし、その後、コンテナはどこに行くのでしょうか。
コンテナ船がコンテナの積みおろしを行う「川崎港コンテナターミナル」を紹介しょうかいします。

チェックポイント

運ばれてきたコンテナはどこに行くの?

コンテナを積みおろす「川崎港コンテナターミナル」の役割を見てみよう
ボタンをクリックすると実際じっさいに働いている人が教えてくれるよ!

サメ博士
コンテナ船が着いたら最初にする綱取り作業
ガントリークレーンで船からコンテナをおろす荷おろし
コンテナをトレーラーで運び、ヤードへおろし保管
コンテナの移動と保管をコントロール オペレーションルーム

コンテナ船が着いたら最初にする「綱取り作業」

お話を聞いた人

平井ひらい つかささん 三田港運株式会社

平井司さん

川崎港のコンテナターミナルにはどんな船が来るんですか?

平井司さん

おもに中国、韓国かんこく台湾たいわん香港ほんこん、ベトナム、タイ、シンガポールなどのアジアの各地の港からコンテナ船がやって来るんだよ。

平井さんのやっている「綱取り作業」ってどんなことするんですか?

平井司さん

港に着いたコンテナ船が流されないように、船から投げられたロープを受け取り、係船柱けいせんちゅうにロープを結びつけて、コンテナ船をしっかり着岸ちゃくがんさせる作業だよ

綱取り作業は、海に転落する危険きけんととなりあわせの作業なので、コンテナ船の外国人船員と目で合図を送り合いながら、きんちょうかんをもって作業をしているんだ。

綱取り作業

ガントリークレーンで船からコンテナをおろす「荷おろし」

お話を聞いた人

木村きむら 浩治こうじさん 株式会社村山商店

木村浩治さん

綱取り作業をして着岸した船からどうやってコンテナを下ろすんですか?

木村浩治さん

首の長いキリンのような形をした「ガントリークレーン」というとても大きなクレーンでコンテナをつり上げて、トレーラーに乗せかえるんだよ。

ガントリークレーンはどこで動かすんですか?

木村浩治さん

ガントリークレーンは高さが約100メートルもあるんだけど、動かすための操縦室そうじゅうしつは地上約40 メートルのところにあるんだ。そこのゆかはガラスで下の様子がよく見えるようになってるんだよ。

わー、こわそう!そんな場所でする作業はたいへんでしょうね。

木村浩治さん

ガラスの床をとおして、目で見ながらクレーンを操作そうさしてコンテナをトレーラの荷台におろすんだ。効率こうりつよく短時間で作業することが大切なので、2分でコンテナ1つをおろすペースをたもつようにがんばっているよ。

コンテナをトレーラーで運び、ヤードへおろす「コンテナの保管」

コンテナ船からおろされたコンテナは、
トレーラーでコンテナターミナル内のヤードという場所まで移動します。
ヤードでは、トランスファークレーンでトレーラーからコンテナをつり上げて、
オペレーションルームの指示しじに従ってヤード内の決められた場所に置きます。

コンテナの移動と保管をコントロールする「オペレーションルーム」

お話を聞いた人

藤原ふじわら 雅弘まさひろさん 東洋埠頭株式会社

藤原雅弘さん

オペレーションルームでは、何をしているんですか?

藤原雅弘さん

オペレーションルームでは、ヤードのどこにコンテナを置くかをトレーラーの運転手やヤードでコンテナを積みおろすトランスファークレーンの作業員に指示を出すんだ。

コンテナターミナルは、コンテナの積みおろしから保管までを一貫いっかんして行う場所なので、コンテナを置く場所や積む順番をまちがえると、次の作業に大きな影響えいきょうが出てしまうんだ。だからオペレーションルームはとても大切な仕事をしていて、コンテナターミナルにとっては司令塔しれいとうのようなものだよ。私も効率的な作業が行えるように、先ぱいを見習ってがんばってるんだ。

オペレーションルーム

働いている人に教えてもらって、コンテナがどうやって積みおろされるかがよくわかったわ。コンテナターミナルにいっとき保管された貨物は、このあと積み出されてわたしたちの暮らしの中にとどけられるのね。